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最近の手術症例などを取り上げていきます。
手術症例:前立腺切除
ラブラドール・レトリバー ●歳、オス
臨床・手術所見

- 血尿が続いているとのことで来院。貧血があるために輸血を行い手術を行いました。
腫瘤は、前立腺から膀胱三角部付近まで浸潤しておりました。
手術法としては、前立腺切除ならびに膀胱部分切除を行いました。
この手術の合併症として、前立腺切除を行うときに神経を切断してしまうと尿失禁が起こりますが、術後自力排尿機能も残っており、予後良好な結果が得られました。
手術症例:交通事故 仙腸関節脱臼、股関節脱臼、大腿骨遠位端骨折
交通事故 ミニチュア・ダックスフンド、1歳、メス 4kg
臨床・手術所見

- 交通事故
仙腸関節脱臼により骨盤腔の狭窄が起こり排便が困難な状況でしたが、スクリューとK-ワイヤーにて整復し狭窄は解除されました。
股関節脱臼は大腿骨頭を切除することにより、整復いたしました。
大腿骨遠位端骨折は、左右よりK-ワイヤーを入れることにより骨折部位を整復いたしました。
これだけの事故にも関わらず、神経的な異常がありませんでしたので骨折が治り次第走れるようになります。
手術症例:甲状腺切除
甲状腺切除 ゴールデン・レトリバー 10歳、メス、32kg
臨床・手術所見

- 多飲多尿で来院です。また、喉も最近腫れてきたとのことです。
甲状腺の診断は、針生検により診断いたします。
甲状腺の腫瘍が疑われましたので甲状腺切除を行いました。
手術合併症としては、甲状腺は血管が豊富なため術中出血が問題になります。
今回、レーザーメスを使用することで、レーザーで止血できる血管と、できない血管を注意深く選択することにより出血のほとんどをコントロールすることができました。
手術症例:動脈管開存症
動脈管開存症 チワワ、メス、5か月齢、1.3kg
3ヶ月ワクチン接種時に聴診により先天性心疾患が見つかりました。
臨床・手術所見

- 動脈管開存症
- 出生後に動脈管(大動脈と肺動脈の間に位置する血管)の閉鎖が起こらず、血液の短絡が生じる心疾患です。
- 本症の病態は初期・中期・末期に分けられます。診断は比較的容易ですが、病態の把握、
つまり、手術適応の評価を行うためには心エコーが必須になります。 - 初期:圧の高い大動脈→肺動脈へ血液が流入し、結果 左心系に血液量が多くなる。
中期:肺動脈圧が高くなり、圧較差が小さくなり、短絡血液量が減る。
末期:肺動脈圧が大動脈圧よりも高くなり、これまでと逆に肺動脈→大動脈に血液が短絡。 - 今回のケースでは、エコー検査で主肺動脈内の動脈管からの乱流所見、短絡血流速:5.1m/secから推定圧較差104mmHg、動脈管開存症初期病態と判断し、また僧帽弁閉鎖不全症など本症の病態進行を助長するような合併症も認められませんでした。以上より、外科的根治療法を選択。
- 今回は1.3kgの低体重のため、動脈管閉鎖術として開胸手術でのジャクソン法による動脈管結紮を実施。
手術症例:胆嚢切除
胆嚢切除 シェルティー 11歳 メス 胆嚢の腫大、慢性的な胆嚢炎、胆泥貯留
臨床・手術所見

- 今回、慢性的な胆嚢炎を繰返し、胆泥の高度な貯留が認められ、今後胆管閉塞を起こす危険性があるために胆嚢切除を行いました。
通常の胆嚢の大きさの10倍以上はありましたが、高度な癒着などはなく切除することができました。終了時総胆管の閉塞もなく、無事手術は成功いたしました。
手術症例:副腎切除
副腎切除 ビーグル 12歳 メス 10.7kg
臨床・手術所見

- 2週間前より多飲多尿。副腎に腫瘍があるとのことで来院。
超音波にて左側の副腎:12.8mm。後大静脈、大動脈への浸潤なし。周囲組織への腫瘤の浸潤なし。ほか、僧帽弁閉鎖不全症(ISACHC Ib)のみとのことでしたので、左側副腎切除を行いました。
術中所見は、超音波診断と同様に大きな血管への湿潤もなく、通常の血管結紮のみで切除することができました。(決して簡単ではありませんが)
術後の合併症もなく、3日目に退院いたしました。



